夏休み終わりに近づく頃私達家族5人を乗せた車は長野から東京へ。
名残惜しくばあちゃんに手を振って・・離れてゆくのがせつなくなる。
夏の思い出をいっぱいくれた
せみのこえ、濃い緑のざわめき、焼ける日差しに蜃気楼の線路。
トノサマバッタの飛んでゆくカチカチ音
山から田んぼを流れて、千曲川に注ぐつめたくきれいな水
回りで生きてる全てが日差しと水を共有していた、
太陽と澄み渡る水でつながった家族のように離れたくない。
野菜と汚れた手足を洗った金だらい、横ばあの家の蛇口から
あぶくがきしみ音をたてながら贅沢に豊かに使った水。
東京に近づく頃もう21時を回る、後部座席で兄弟3人はまどろみ夢の中へ
父と母が語らう声、昭和の車
メーターのチャイム「キンコン」が不規則に、とぎれとぎれ鳴るのが聞こえる、
一定の間隔で高速道路の継ぎ目をまたぐ振動音、
タイヤのノイズ。
家路まで続く照明がぐるりぐるりオヤジの輪郭を繰り返し繰り返し
照らし出している・・
父が連れて行ってくれた夏休みの旅。
父の背中のハンドルを握るシルエットが好きだった。
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